森は、ほうっておいても育たない。
森が健全でなければシラカバの樹液は採れない。
なので森を健全に育てる必要があります。
私たちSIRACAは北海道蘭越町で、シラカバ林を中心とした広葉樹の森で、自伐型の林業を行っています。
「林業」と聞くと、木を切ることをイメージする人が多いかもしれません。
でも、私たちが日々やっていることの多くは、木を切ることよりも、木を育てることです。
もちろん林業なので木は伐ります。
ただそれは、必要最低限の伐採で、所有する土地の木すべてを切るような林業スタイルではありません。
残す木を決め、そのまわりの木を少しだけ伐採することで残したい木を太く大きく成長させたく、光を与えるための伐採です。
でも実は伐採をする前の作業は冬から始まっています。
森づくりは、木を伐る前から始まります。雪で森が見渡せる冬に、「なるべく木を切らずに済む道」を考えることが私たちの仕事。その選択が未来の森を育てます。森を育て、その恵みを届ける。それがSIRACAです。 pic.twitter.com/eGLm3vBMAy
— 時田正宏 (@ran_shirakaba) July 10, 2026
自伐型林業を知るまでは、森は何もしないでほうっておくのが一番だと思っていました。
でも、毎年4月シラカバ樹液採取の時期に森に入ると、元気そうな木が倒れていたり、笹の浸食が激しかったり、辺り一面が暗く不気味な雰囲気すら感じていました。
そう!森は、ほうっておいても勝手に良くなるわけではなかったことを勉強しました。
光の入り方、木の間隔、道のつくり方。
ひとつひとつ手を入れることで、はじめて健康な森が育っていきます。
「切る木」より、「残す木」を大切にする。
森の中では、間伐や笹刈りをして、木や足元に光が入るようにしています。
木こりだけれども、いつもうまくいってるわけではない。
もちろん安全に地面に伐倒をすることを目指しますが、実際は、木の傾きや周りの木、地形まで考えても、思い通りに倒れないことがあります。
今回は、そんなリアルな伐倒現場。実は、思い通りに倒れませんでした。 pic.twitter.com/APPleRI34f
— 時田正宏 (@ran_shirakaba) August 8, 2026
ここで大切にしているのは、
「切る木」より、「残す木」を選ぶこと。
太く、健康に育つ木を選び、不必要な伐採は避けています。
ミズナラのように木材として活かしたい木もあれば、あえて残しているシラカバもあります。
基本的には、今ある太い木をもっと成長させたい!ここが根底にあります。
「切る」ためではなく、「残す」ために森に入る。
道も、まっすぐにはつくらない。
森の中には、作業のため、私たちが森に入りやすくするための道もつくっています。
幅は、だいたい2.5mほど。
でも、この道、まっすぐにはつくりません。
森の道は、わざと曲げています。
まっすぐな森の道が長く続くと、雨が降ったときに水が流れて道が壊れやすくなります。
カーブをつくることで水を森へ逃がし、長く使える道になります。
森づくりは、木だけではなく水の流れも考えながら進めています。 pic.twitter.com/4TYbDwtR7u— 時田正宏 (@ran_shirakaba) July 23, 2026
道をつくる場所は、なるべく木を切らずに済む場所、そして森の形を壊さぬことを頭に入れながら線形を考えます。
あえてカーブを連続させることで、雨が降ったときに水を逃がすことを考えます。
ストレートの長い道が続くと、水が道を流れ、壊れやすくなります。
私たちが作る道は、一度の施業で役割を終える道ではなく、将来にわたって使える道。
せっかく森を切り開いて作る道なので、50年後も100年後も使える道を目指します。
道をまっすぐにしないことも、森を守ることにつながっています。
森を育てることが、恵みにつながっている。
笹を刈り、道をつけ、
残す木を選び、
間伐をして森に光を入れ、
木を守る。
地味に見える作業の積み重ねの先に、健康に育った森があります。
森を育てることと、森から何かをいただくことは、私たちの中ではひとつながりです。
伐採した木は、太いものは製材し、板に、残った分は薪や木工作家さんのもとへ旅立ちます。
枝や樹皮、葉の一部は染物になり、その他は森の養分になります。
森から出てくるものは、ひとつではありません。
でも、どの形であっても、森から生まれたものを、大切に届けていく。
それが、私たちの姿勢です。
もちろん毎年4月に採れるシラカバの樹液はSIRACAの製品になります。
森を育て、その恵みを届ける。SIRACA
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あとがき
木を切る話よりも、木を残す話。
まっすぐな道よりも、カーブする道。
森づくりは、一見地味に見える判断の積み重ねです。
でも、その積み重ねがあるからこそ、この森は毎年、何かを分けてくれています。
