相手の胸に投げる。自分に向かってきたボールは絶対捕る。地味だけどこれが1番の練習だ。

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ちょっと想像してみてください。

甲子園を決める南北海道大会決勝戦、1−0とリードしている状況で迎えた9回裏ツーアウト満塁。

迎えるはプロも注目の高校通算ホームラン100本を放っているバッターという場面。

 

9回だし、これまで準決勝まで戦ってきた疲労もピーク。

この場面を抑えることができたら甲子園に行けるというプレッシャー。

バッターの気迫ももちろんだけど、相手チームも当然同点に追いついて一気にサヨナラ勝ちまで持って行きたいからベンチとスタンドの応援もハンパない。

スタンドには甲子園を決める試合だからたくさんのお客さんが詰めかけている。

そしてバッターは甘いボールなら簡単にスタンドまで持って行ってしまいそうな状況。

 

 

当たり前のことかもしれないけど、ここでフォアボールを出したら同点にされてしまい、さらにサヨナラ負けが近づいてしまいます。

ヒットを打たれようものなら一気にサヨナラ負けです。

厳しいコースに変化球を投げたいけれどパスボールやワイルドピッチになっても同点にされてしまいます。

ここで勝負できるという強心臓も必要だけど、できればストライクゾーンで勝負したい。

 

さて、この場面でアナタは相手バッターと真っ向勝負できますか?

 

これまでどんなにたくさんの練習を積み重ねてきたとしても、震え上がってしまいそうな場面ですね。

小細工は通用しないよ。

ここで大事なのは、キャッチャーのミットを目がけて精一杯自分のボールを放り込むことだと思う。

ストレートでもウイニングショットの変化球でも。

自分が持っている最高のボールを自信を持って投げ込む。

 

これができたらきっといい結果になるでしょう。

 

だけど、ちょっとでも違和感を感じたり、余計なことが頭をよぎったりしたら・・・、きっと良くない結果になってしまうでしょう。

 

ここで集中できずに思い切って投げる自信が持てないのはなぜか?

 

それはきっと今までの練習に自信が持てないからじゃないの?

やれることはやったか?

当たり前のことを当たり前のようにやり続けたか?

 

この状況に立つような選手ならば野球経験もきっと何年もあるはず。

ここまでどういう姿勢で野球に取り組んできたか。

地味だけど基本となる練習をちゃんと積み重ねてきたか。

宗教心はほとんどないけど、野球の神様はいるとボクは思っています。

地道に練習をしてきた選手は神様が味方をしてくれる。

道具を大事にしてきた選手は道具が味方をしてくれる。

仲間を大事にしてきた選手は仲間が助けてくれる。

アホかって思うかもしれないけど、大事なことじゃないかな。

 

最後は誰よりも努力した選手が良い想いをする。

当たり前のことをちゃんとできること。

勝つチームはファインプレーやホームランだけで勝っているわけではない。

当たり前のことを確実にこなしているから、27個のアウトを積み上げるから勝てるんだよ。

 

状況判断やノックを受けることも大事だけど、キャッチボールが1番基本だよ。

日々のキャッチボールをどれだけ真面目にやっているか。

キャッチボールを教える時、きっと誰しもが言うでしょう。

 

「相手の胸に向かって投げなさい!」

 

大事な場面で、アナタに、教え子の選手に、息子に、それぞれに悔しい想いをしてほしくないから経験者はみんな言うんです。

だからキャッチボールが大事なんです。

そしてキャッチボールがしっかりできる選手は強いです。

これが自信になるんです。

 

だからしっかりやってください。

アナタが小学生なら小学生のうちから、中学生や高校生なら、たった今から。

簡単なことだから、やればやるほど上達します。

そして、手を抜けば抜くほど後で後悔します。

 

「相手の胸にしっかり投げること、自分に向かってきたボールは絶対に捕ること。」

これは誰でもできるでしょ。

キャチボールは内野手も外野手も同じだよ。